2017年の音楽

音楽というか、アニメとか声優とかの音楽、で2017年によく聴いたやつの話。

ざっくりアーティスト毎とか作品毎で。

内田真礼

Shiny drive, Moony dive
作詞・作曲:田淵智也UNISON SQUARE GARDEN) 編曲:やしきん

 2017年最初に買ったCDがミニアルバム「Drive-in Theater」だったと思います。
 内田真礼さんと言うと自分、1stアルバム「PENKI」がかなりツボだったので、買う前は正直自分の中でPENKIは超えられないのではとか考えてましたし、実際買ってから暫くはPENKIほどには好みではないなという印象で……
 そんな中で1曲、発売前に試聴動画が公開されたときからめちゃくちゃ気になっていて、買ってからも聴きまくってたのがこの『Shiny drive, Moony dive』でした。
 いかにも田淵智也さんらしい何言ってるのかマジで聴き取れないが決して難解というわけではなくむしろ超キャッチーな歌詞を、なんだか賑やかな曲調で、内田さんがあの声で歌うってそれテンション上がらないワケないじゃん、と。
 内田さんって、何言ってるのかマジで聴き取れない歌い方をしてても全然手抜きっぽくなくてちゃんと可愛いし魅力になってて、田淵さんの曲に合うよなぁって思います。

 

+INTERSECT+ YouTube
作詞・作曲:ZAQ 編曲:増田武史

 CD買ってから殆ど聴きこめないままライブ「+INTERSECT♡SUMMER+」に行くことになってしまったんですけど、夏の日比谷野外音楽堂で2回も聴いたらそりゃ好きになりますよね……
 歌からは内田真礼さんからZAQさんへの、またZAQさんから内田さんへの双方向のリスペクトのようなものが感じられて、両方の活動を追いかけてきた人にはより響きそうです。自分はZAQさんについてそこまで詳しくないので、その辺を勝手に脳内で補完して勝手にエモくなってました(最悪)。
 落ち着いた音のようでいてしっかり伴奏の主導権を握ってるギターが気持ちいいです。確かに今までの内田さんのソロ活動の延長線上にあると思えるのに、意外と今まで無かった雰囲気の、ちょっとだけ新鮮な1曲。

 

c.o.s.m.o.s YouTube
作詞・作曲:渡辺 翔 編曲:ミト(クラムボン

 今までの内田真礼さんから1歩先に、1段高いところに進んだ。この曲の試聴動画が公開されたときそう思いました。それは今まであんまり内田さんがやってこなかったような挑戦的な曲調への驚き・ショックの意味でもあったけれど、聴いてみれば決して内田真礼らしさを損なうものではなかったし、むしろ内田さんの色彩豊かという個性をより深く確かなものとして実感できたことが嬉しかったのを覚えています。
 四つ打ちのダンスミュージックということでライブでも勿論最高に楽しいのですけど、やたら内田さんの声が活かされた曲なので、個人的には家で音源をじっくり聴くのが好きです。

 

シンボリックビュー
作詞・作曲・編曲:渡辺 翔

 これ、内田真礼さんの曲の中で今のところ一番好きです!
 元々こういうアレンジの曲ってすごいツボなんですけど、そこに内田さんの歌が乗るとこんなに気持ちいいんですね。音の抜けが良いというか……
 ベースがとにかく心地良いんだよな、と思っていたら演奏は有形ランペイジやKiRaRe(Re:ステージ!)の楽曲などでお馴染みの二家本亮介さん。もう一人の主役と言わんばかりのピアノも素敵です。
 1年間、ミニアルバムとシングル2枚の中で本当に色々な顔を見せてくれた内田さんでしたけど、その最後の最後がこういう更なる未来を感じさせる曲ってなんか良いなと感じました。きっと2018年も目を離せないんだろうな~と思います。(というか、2月発売予定の新曲が試聴から既に良いんですけど……)

 

水瀬いのり

春空
作詞:絵伊子 作曲・編曲:渡部チェル

 この曲を初めて聴いたとき、水瀬いのりさんは強者なんだと思いました。思い知らされました。
 それは水瀬さんの歌が半端ないというだけの話ではなくて、メロディーラインが、アレンジが、楽器の音色が、曲全体が「水瀬いのりは強者である」と突き付けてくるような体験。これは水瀬いのりというの存在を我々愚民に知らしめるための音楽なのだと。
 出会いと別れの季節に爽やかな風が吹くような、聴くと口角が上がってしまうような、素敵な曲なのは間違いないのですけど、こんなこと言うと失礼かもしれませんが恐怖さえ感じました。この曲を従えることが出来そうなボーカリストを自分は水瀬さんの他に知りません。

 

星屑のコントレイル YouTube
作詞・作曲・編曲:藤永龍太郎Elements Garden

 Poppin'PartyBanG Dream!)って楽器のアレンジとか結構好きだけどコーラスがちょっと過剰なんだよな……と思ってたときに『星屑のコントレイル』を聴いたらぴったりハマりました*1。切なくも力強いこういう曲調と歌声にはやっぱりコーラス・ハモリ少なめが合うよなと思ってしまいます。
 こういうこと言うとなんか格好悪いんですけど、昔から星とか星屑とかそういう歌詞にどうも弱くて、それを水瀬いのりさんがあの熱っぽい声で歌うものだからグッときました。
 自分が水瀬さんに興味を持ったのって「ご注文はうさぎですか?」とか「普通の女子校生が【ろこどる】やってみた。」とかがきっかけだったので、当時は可愛い声の人だなとしか思っていなかったのですけど、今ではすっかりこういうパワフルで格好良い歌の人というイメージが強くなった気がします。
 でも「水瀬さんってしっとりした曲が似合うよね」って言われても納得してしまう気もします。何者?

 

Innocent flower YouTube
作詞:藤林聖子 作曲・編曲:KOUGA

 8/pLanet!!にも楽曲を提供されているKOUGA先生の作編曲。ちょっと壮大で感動的な、アルバムを締めくくる表題曲です。
 水瀬いのり 1st LIVE Ready Steady Go!で聴いて、泣きました。

 

リトルシューゲイザー YouTube
作詞・作曲・編曲:中山真斗

 タイトルは音楽ジャンルの「シューゲイザー」というよりもむしろ、文字通り「靴を見つめる人」、下を向いて踏み出せずにいる人みたいな感じ。如何にもなわざとらしい言い回しでこそありませんが、物語的な一本筋の通った歌詞は胸を打ちます。
 硬質で泣ける感じの、歪んだギターがジャーンってやらない方のロックサウンドが、今までの水瀬いのりさんの曲に無かった新鮮な雰囲気で気に入ってます。水瀬さんに限らずアニソンにこういう曲もっと増えてくれないかな~……

 

YURiKA

Shiny Ray
作詞・作曲:uz 編曲:吉田 穣

 2016年はKiRaReや8/pLanet!!の音楽と衝撃的な出会いをして、それが自分のオタク生活に随分影響を与えたのですが、2017年の衝撃的な出会いはと言えばまず何といってもアニソンシンガーのYURiKAさんだったと思います。
 日課YouTubeアニソン試聴動画漁りをしていたら『Shiny Ray』を見つけて、聴いてみたら一発で気になる存在になりました。
 ベースやストリングスがあれだけ目立ってるのにスッキリとしてて爽快なアレンジ・ミックスも、希望に満ちたメロディーラインも、「リトルウィッチアカデミアTVシリーズ)」の主題歌としてもYURiKAさんのデビュー曲としてもピッタリな歌詞も、そしてYURiKAさんの力強い歌声・真っ直ぐな歌い方も、全部が好みでした。
 インタビューを読んだりした感じだと、このあんまりビブラート使わないような歌い方はデビュー前のYURiKAさんの歌から意識的に変えてやってるっぽいのですが、個人的にはこっちも超アリです。でも次の『AKATSUKI DEPARTURE』みたいな歌も良い! もっと聴きたい!

 

AKATSUKI DEPARTURE YouTube
作詞:上園彩結音 作曲・編曲:齋藤真也

 表題曲『Shiny Ray』とはガラッと雰囲気を変えたカップリング曲。とはいえ、歌詞をよく聴くとYURiKAさんのパーソナリティとリンクしているという点は、3曲目の『My Destination』も含めて1stシングル収録曲として共通しています。
 タイアップとしてアニメに寄り添った『Shiny Ray』と比べると、こっちはおそらくYURiKAさん本来のパワフルな要素をより極端に反映させているなという印象で、初めて聴いたときはその迫力に圧倒されました。イントロでこそシンセが存在感を放っていますが、聴き進めるとかなりギターに力が入っていて格好良いです。
 ライブで盛り上がる曲で、生で聴いてすごい好きになりました。また聴きに行きたいと思います。

 

My Destination YouTube
作詞:日山 尚 作曲・編曲:吉田 穣

 壮大に響くストリングスの中で確かな存在感を持ったギターやピアノが光る名アレンジ・名演奏! 綺麗な曲調の中にも意志の強さを感じる曲です。
 バラードって、たとえばCDを全曲連続再生してる中とかライブとかで聴くと、良い曲だなと感じることも少なくないのですけど、そこから一歩進んで日常的にその曲を選んで聴くくらい好きになることって自分の場合はあまりありません。曲と自分と世界とがうまく繋がらなければ再生中はただの待ち時間が多くなってしまうし、じっくり聴けるぶん少しでも好みに合わない要素があるとそこがどうしても気になってしまいます。
 楽曲制作に携わられた方々の見事な手腕があって、そこに表現されたYURiKAさんの今まで歩んできた道程や今の立ち位置というものがあって、それに強い興味を抱いていた自分があって、それでやっと『My Destination』が響きました。
  開き直るようで悪いけどやっぱり好きになれないものは好きになれないので、せめて、この曲を含め今好きになれている音楽に対してくらいは心に素直でありたいよねと思います。たぶん、YURiKAさんや音楽を作る多くの方々が音楽に対してそうであるように。

 

MIND CONDUCTOR
作詞:eNu 作曲・編曲:R・O・N

 アニメ「リトルウィッチアカデミア」第2クールOP主題歌。なかなか普段2クール以上のアニメって観る機会がないのですが、なんとなく2クール目の主題歌ってちょっと深く突っ込んだ、聴きごたえのある曲が多いような印象があります。『宝箱-TREASURE BOX-』とか『セルリアンスカッシュ』とか、『絶対零度θノヴァティック』とか……
 で、『MIND CONDUCTOR』なんですけどやっぱりちょっとカロリー高いです。このあんまりメロディアスじゃない、自由に叫ぶようなAメロとか。明るく前向きな曲なのは確かですけど、無垢で楽観的な前向きさではなく、そこから1歩先に進んだ決意を感じる前向きさなんですよね。そういうわけで、この曲だけで聴いても勿論良いんだろうとは思いますが、自分は『Shiny Ray』からの流れでこの曲を知ったことでよりグッときました。
 これ半端な歌唱力の人が歌ったらすごい下手に聞こえちゃうやつだと思うんですけど、流石YURiKAさんはCDでもライブでも格好良く歌いこなしてます。しっかり自分の歌を持ったシンガーさんなので、ファンとして活動を追いかけるのも楽しいですよね……

 

Fairy Way YouTube
作詞・作曲:uz 編曲:吉田 穣

 YURiKAさんの曲でも『MIND CONDUCTOR』とかにはかなり強力な思い出補正があるんですけど、純粋に音が好みなのはこっちです! 作詞作曲 uz先生・編曲 吉田穣先生ということもあってか、『Shiny Ray』に何処か通じるものがあります。
 前のめりな姿勢を象徴するかのようなシンコペーションが印象的で、その熱量を確かに感じることができます。……と書くとまるで暑苦しくやかましい曲のように思われるかもしれないですけど、サウンドの重心が低いところにあると言いますか、なんだか全然うるさくないんですよね。聴いていて強引にテンションを上げさせられるのではなく、どこか冷静に自分の内側から感情がこみ上げる感じが気に入っています。

 

鏡面の波
作詞・作曲・編曲:照井順政

 淡々とした儚い歌い方で始まり、サビで一気に感情が乗って盛り上がるドラマチックな展開が印象的な、アニメ「宝石の国」OP主題歌。別々の動きをする楽器たちが複雑に絡み合うオケだったり、変拍子だったりと不思議な雰囲気を持つ曲です。
 これまでパワフルでエネルギッシュな歌の人というイメージが強かったYURiKAさんですが、ここに来てYURiKAの凄さはそれだけじゃないぞと証明した感じ。1曲の中で目まぐるしく表情を変える歌声は、個人的には如何にもYURiKAさんっぽいなと思いました。
 三連符を刻むチェロの音がお気に入りです。個性的で複雑な曲ではありますが、決して変にやかましいわけではなく心地良く聴けるのがいい感じ。

 

薄明パラレル
作詞:YURiKA 作曲・編曲:白戸佑輔

 『Love is MY RAIL』や『Edelweiss』の白戸佑輔さんによる楽曲提供! 爽やかで胸に沁みる、甘くて酸っぱい青春ソングです。名曲。
 甘く切ない恋の歌って、これでもかってくらい歌われてて、これでもかってくらい聴かされてるジャンルですけど、それでもこうして定期的に曲が出るし、全然聴き飽きたって気がしないんですよねぇ。共感するとか衝撃を受けるとかそういうのとは全然違う心の動きがあるのかもしれません、風物詩的な……?

 

拡張少女系トライナリー

テクトラ! - Yumemille feuille guruRemiX. -
作詞:えびずん 作曲:佐伯高志 編曲:中塚 武
歌:TRINARY(たけだまりこ、中恵光城、八木侑紀、萩原あみ、平山笑美

 2017年のアニメソングを語る上で絶対に外せないのが拡張少女系トライナリー! アプリとアニメの融合をコンセプトとした「アニメも観られてゲームも遊べるスマホアプリ」で、アプリのオシャレ感とか謎多き世界観とかキャラクター達との濃すぎる交流とか、特徴を挙げればキリがない作品ですが、その音楽もまた特徴的です。
 そう思うようになった最初のきっかけがアニメOP主題歌であるこの『テクトラ! - Yumemille feuille guruRemiX. -』で、昨年9月のアニメ先行上映で1度だけ聴いたときから惚れてたのに、それから半年近くずっと聴く手段が無くてもどかしい思いをしました。
 トライナリーの曲は全部そうなんですけどとにかくキャストの歌声が魅力的です。特にこの曲は歌詞が難解というか、ともすれば電波ソングに近いのではないかとさえ思ってしまいそうな、かなり変わった言葉選びがされてるのですけど、女性声優さん達が独特な歌詞で歌う曲の面白さは言わずもがな。
 フルサイズも勿論大好きなんですけど、90秒の中にこれでもかと要素が詰め込まれたショートサイズも聴きごたえのある構成で楽しいです。

 

The Truly Lovely Show !!
作詞:石川絵理 作曲・編曲:中塚 武
歌:TRINARY(たけだまりこ、中恵光城、八木侑紀、萩原あみ、平山笑美

 今年のアニメED主題歌で一番好きな曲です。アニメ「きんいろモザイク」などでもお馴染みの中塚武氏による、文句のつけようがないくらいお洒落なビッグバンドジャズ。
 アニメ主題歌にも「アニソンシンガー」「声優のソロアーティスト活動」「邦ロックバンドタイアップ」などなど色んな形態がありますけども、「アニメのメインキャスト数名で歌う曲」の枠の中でいえば、この曲は2017年におけるひとつの完成形であり解だ、なんて思ってしまいました。それくらい自分にとって新鮮なのにしっくりくる曲でした。如何にもアニソンらしい個性的な声質と、心地良いジャズサウンドとが見事に融合していて、こういう曲があるからアニソン聴くのやめられないんだよなぁと思わされます。
 ジャズアニソンって自分すごい好きなんですよね…… 試聴動画とかは無いんですけど、無料配信されてるアニメ第1話のED(25:30頃~)で聴けます! おすすめ!

 

Sigh-nage 〜吐心感情戦〜 YouTube
作詞:佐藤舞花 作曲:川崎里実 編曲:前口 渉 歌:國政綾水(中恵光城)

 ヒロイン5人それぞれのキャラクターイメージソング5曲のうち、最初に公開されたのがこの曲で、初めて聴いたとき「トライナリーのキャラソンってこういうのアリなんだ!?」と驚いたのを覚えています。
 曲調への驚きも勿論あったのですけど、それ以上に引っ掛かったのがこの曲を聴き終えた後のスッキリしなさ、モヤモヤ感。曲の中に表現された國政綾水という少女の持つ「危うさ」は、この4分20秒では解決されることも良い着地点を見つけることもありません。そのことが「綾水のことをもっと知りたい、見ていたい」という気を起こさせ、綾水というキャラクターを自分にとってより魅力的なものにしてしまいました。そしてキャラクターを好きになると今度はまた曲をもっと好きになるっていう……
 突き刺すようなアタック強めのピアノが特徴的かと思ったら、途中に挟まれるジャズパートでは如何にもな色っぽく危なっかしい音色へと変化し、その二面性に心を揺さぶられます。中恵光城さんの歌の上手さについては今さら言うまでもない気もしますが、本人名義での歌唱のイメージが強いので、キャラソンというのはちょっと新鮮な感じです。

 

Tak a ja lubie.
作詞:土屋暁 作曲・編曲:姉田ウ夢ヤ 歌:ガブリエラ・ロタルィンスカ(八木侑紀

 聴き慣れない異質な曲調のイントロに度肝を抜かれ、その後入ってくる可愛い歌声に心を射抜かれ、と思ったらその歌が聴き慣れない外国語へと変わり再び度肝を抜かれるというビックリ箱みたいなキャラソン。可愛い系のアニメソングでこれやりますか!?と言いたくなるくらい容赦無く鳴る打楽器が印象的です。
 歌詞の大半がポーランド語なのですが、特に "Co lepsze placki czy dorayaki ?" や "Jak miłość, ma styl i czar ju-nin-to-iro" といったポーランド語の中に日本語が織り交ぜられた表現は、あまりにも耳馴染みが無さ過ぎて胸がザワザワします。
 聴き慣れない音楽って普段どうしても敬遠してしまいがちなんですけど、この曲は八木侑紀さんのキュートでチャーミングな声に釣られて聴いているうちに気付けばすっかりサウンドにもハマってしまってました。MVも超可愛いです。

 

Floccinaucinihilipilificator YouTube
作詞:鈴木静那 作曲・編曲:大川茂伸 歌:卯月神楽(平山笑美

 やたら長いことで有名な英単語・floccinaucinihilipilificationを曲名に持つキャラソン第3弾。なんて言うとまるで出オチっぽいですが、アプリに触れていればこの曲名が卯月神楽というキャラクターに寄り添っていることが分かります。何気にこの記事の中で唯一の3拍子ですね。
 まず何と言っても平山笑美さんの、息多めで可愛く綺麗な声なのに重くドロッとした歌が圧倒的! 詞やオケもちょっとやりすぎなほどに劇的です。低音弦楽器ならではのあのザラついた音色がお気に入りポイント。
 歌詞は中二病的な言葉で飾り立てられてはいますが、むしろどこか真に迫る感じがしませんか。日常で使うような語では人の生き様を表すには足りないということなのか、生々しい内容だからこそ奇抜な語で繕わずにはいられないのか…… 作品を知らない人にはどんな風に聞こえるのか気になってしまうくらいの極端な曲ですが、こういう曲と出会えるのはキャラソンの魅力だなって思います。

 

BOOLEAN_PARADOX/. YouTube
作詞:深川琴美 作曲・編曲:前口渉 歌:恋ヶ崎みやび(萩原あみ)

 みんな大好き和風でEDMなやつ。あんまり音楽のジャンルって分からないんですけど、和ダブステとでも呼べばいいのでしょうか…… エレクトロニックな音色と和風の旋律とがうまく組み合わさっていて、こういう言い方はアレなんですがすごくウケそうな曲だなぁというのが最初の印象でした。
 ゆったりとしたメロディーは素人耳にも歌い難そうと思えるもので、本当に萩原あみさんグッジョブと言うほかありません。
 この曲の魅力は何と言っても徹底した「恋ヶ崎みやびらしさ」。上で挙げたエレクトロニックな要素も和風な要素も、あるいは歌詞の中で表現される恋愛気質っぽいところも真実への探求心も、キャラソンに不可欠かはともかくとして、みやびというキャラを説明する上では確かに不可欠なものです。詰め込み過ぎとも言われかねない沢山の要素が、キャラクターを軸にして見事に纏まっている……ように聴こえるのは、この作品に触れてきた人だけの特権でしょうか?

 

Metroporitan medicine 〜宇宙の法則でTOKYO〜 *2
作詞・作曲・編曲:川崎里実 歌:逢瀬つばめ(たけだまりこ

 音楽プロデューサーをして「この曲さえあれば勝てる!」と言わしめた、つい何度も繰り返し聴いてしまう名曲。これをまだ15歳とかそこらの女の子が歌ってるというのは凄すぎると思います。

 

Re:ステージ!

憧れFuture Sign
作詞:やしきん 作曲・編曲:伊藤 翼
歌:KiRaRe(牧野天音鬼頭明里田澤茉純立花芽恵夢岩橋由佳、空見ゆき)

 月刊コンプティークでのイラストノベル連載から始まり、音楽CDやライブイベント、アプリゲームなど多方面に展開中の所謂2次元アイドルコンテンツ「Re:ステージ!」、なんてわざとらしく書いちゃいますが、なんだか掴みどころの無い作品だしこのブログを読んでるような人なら大体知ってるだろうし、説明するのも変な感じ。昨年は期間限定先行配信の『夏の約束』*3を含めても楽曲が4曲しかなかったのが、今年はなんと一気に20曲以上に増え、しかもその増えた曲が何れも作り込まれていたものですから驚かされる1年になりました。
 そんな今年増えた曲のトップバッターがこの曲! と、あと他にも同時に出てるんですけど、作中の主人公格ユニット・KiRaReの曲ということでやっぱり今年のRe:ステージ!はこの曲で始まった印象が強いです。以前から効果的に用いられてきたストリングスはより鋭く美しく曲を彩っていて、キャストの歌声のレベルアップも感じられる感動的なナンバー。
 ニコニコ生放送で初めてこの曲の1番を聴いたときと、秋葉原ゲーマーズで初めてフルサイズ音源が披露されたとき、胸が熱くて顔が熱くて、頭の中が真っ白になりました。ドキドキしました。それはまぁ自分がずっとKiRaReを好きだったからというのもあるかもしれませんけど、それにしたって素敵な曲です。

 

FlowerS ~となりで咲く花のように~ YouTube
作詞:森由里子 作曲・編曲:滝澤俊輔(TRYTONELABO)
歌:オルタンシア(小澤亜李花守ゆみり

 「憧れFuture Sign」と同時に発売された、KiRaReのライバルユニット・オルタンシアの待望のデビューシングル。2人組ユニットならではのお互いの関係性にフォーカスした歌詞と、ちょっと意外なくらいに哀愁のあるメロディーが胸を打ちます。
 小澤亜李さんと花守ゆみりさんの声って、デュオとしてすごい合うよなぁと思います。勿論それはオルタンシアの他の曲でも存分に発揮されてるんですけど、歌詞が歌詞だし、最初の1曲だし、やっぱりこの曲はちょっと特別です。
 最初にオルタンシアがCDデビューすると聞いたとき、少し複雑な気持ちだったんです。当時この作品で唯一デビューしていたKiRaReにすっかり惚れ込んでいた身としては、オルタンシアの登場でKiRaReが蔑ろにされてしまうんじゃないかと不安でしたし、それでなくてもユニットやキャストをやたらと増やすようなコンテンツには不信感がありました。
 でも、そこで出されたKiRaReの新曲『憧れFuture Sign』と、このオルタンシアのデビュー曲『FlowerS ~となりで咲く花のように~』が何方も見事にどストライクでしたから、そりゃ認めるしかないじゃないですか? 結果的に2017年はこの後もKiRaRe・オルタンシアともに更に曲増えましたし…… 自分の中でこの作品との向き合い方について転機になった曲かもしれません。

 

Stage of Star
作詞:彩華れい・俊龍 作曲:俊龍 編曲:Sizuk
歌:Stellamaris(高橋未奈美諏訪彩花田中あいみ

 作中の最強ユニットと言われるStellamarisの1stシングル。その作曲が俊龍先生というのは、確かにこれ以上ないくらいしっくり来ますがそれはそれとして発表されたときは驚きました。
 長めのイントロから始まり一気に駆け抜けるような構成や、如何にもといった感じのギターのサウンドには痺れますし、何と言ってもメロディーがなかなか頭から離れません。ボーカルが「格好良い歌い方の高橋未奈美さん・諏訪彩花さん+可愛さ全開の田中あいみさん」というのもかなり面白い響きです。
 原作ノベルでは、Stellamarisは圧倒的な強さを持った存在として描かれています。それが実際にCDデビューするとなれば、楽曲制作のハードルは決して低くなかったはず。いやホントこれでしょーもない曲が来たらどうしよって思ってたら、出てきたのがこのすごくStellamarisっぽい1曲でしたから心が震えました。『FlowerS ~となりで咲く花のように~』のとこで書いた件を経た後なので、流石にそのときみたいに不安ではなかったとはいえ、モヤモヤを吹っ飛ばしてくれたという意味で思い入れのある曲です。

 

恋はフュージョン YouTube
作詞・作曲:久保正貴(Black Butterfly) 編曲:YUPA
歌:Stellamaris(高橋未奈美諏訪彩花田中あいみ

 「Stage of Star」カップリングの、全然フュージョンじゃないロックナンバー。こちらは可愛い要素が強めということで、田中あいみさん演じる岬珊瑚のキュートボイスが炸裂しています! これでもかと鳴りまくるギターも超アツいです。
 Re:ステージ!って結構個性的な曲が多い気がするんですけど、その中でもこの曲は比較的ストレートというか、良い意味で落ち着いた素朴な感じです。そういう曲って一度好きになったらいつまでも聴いていられる一方で、インスタントな刺激には欠けるところもあるかと思うのですが、この曲は声優さんの声質がうまくフックになってくれました。こういう曲調を真面目にやってくれるアニソンってなかなか目立つところに居ないので、出会えてラッキーです。

 

Do it!!PARTY!! YouTube
作詞:hotaru 作曲・編曲:伊藤 翼
歌:KiRaRe(牧野天音鬼頭明里田澤茉純立花芽恵夢岩橋由佳、空見ゆき)

 KiRaRe 1stアルバム「キラリズム」のリード曲、でいいんでしょうか? スーパーギタリスト佐々木秀尚さんによる、気持ち良すぎるギターの音に何と言っても心をくすぐられます。佐々木さんって『Startin' My Re:STAGE!!』をはじめ結構KiRaReの色んな曲やライブに参加されてる方で、KiRaReでギター佐々木さんでこういう曲調で曲出してくれないかな~なんてずっと思っていたものがまさに来ちゃったもんですから、マジで感謝しかないなと感じたのが記憶に新しいです。
 跳ねるメロディーラインと、ごちゃごちゃした楽器の音がとにかく楽しい1曲。立花芽恵夢さんや空見ゆきさんの声質によって歌に面白さが添加されているのも無視できないポイントです。

 

Purple Rays
作詞・作曲・編曲:ヒゲドライバー 歌:オルタンシア(小澤亜李花守ゆみり

 このブログを、それもこの辺の文章を読んでるような人で、まさかこの女性声優ミュージックビデオオブジイヤー2017を観ていない人がそうそう居るとは思えませんが…… もはや説明不要のヒゲドライバーさんによる、恐ろしくキャッチーなぴこぴこソング。

 

Dear マイフレンド YouTube
作詞・作曲・編曲:Junky 歌:オルタンシア(小澤亜李花守ゆみり

 VOCALOID楽曲での活躍は勿論、『ぜんたい的にセンセーション』『ワタシ・愛・forU!!』などアニソンでもポップでキュートでその上ポップな音楽を多く送り出してきたJunkyさんによる楽曲提供! いや表題曲ヒゲドライバーさん・c/w Junkyさんで実写MV付きってヤベーやつだろこのシングル……
 毎度のことながら惚れぼれするギターアレンジに、1サビ直前のベースはちょっとわざとらしいかなと思いつつもやっぱり気持ちいい。あんまり明るくなり過ぎないメロディーラインも好きです。

 

Cresc. Heart
作詞:Soflan Daichi 作曲・編曲:伊藤 翼
歌:TROISANGES(日岡なつみ阿部里果長妻樹里

 アプリゲーム「Re:ステージ!プリズムステップ」から登場した新ユニット・トロワアンジュのデビュー曲は美しく壮大。ストリングスやピアノが雰囲気を作りつつ、ギターやドラムの音も味を出している素敵なアレンジです。全然聴き飽きない曲調で好みだったのでひたすら繰り返し聴いてました。
 この曲の特徴なんですけど、1・2サビの最後とラスサビにユニゾンが少しあるだけで、歌の大部分が誰かのソロになっています。日岡なつみさん阿部里果さん長妻樹里さんって、3人とも引っかかる声質で胸に迫るような圧倒的な歌をうたう人達で、多めにとられたソロパートは聴いていてそれぞれの感情の乗った歌声に殴られるような気分。からのラスサビの満を持してのユニゾンも感動的で、是非フルサイズを聴いてほしいです……

 

Shine on Me!! YouTube
作詞・作曲:石川 慧 編曲:伊藤 翼
歌:Tetrarkhia(山田奈都美、佐藤実季、高柳知葉西田望見

 トロワアンジュと同じくアプリゲームから登場したテトラルキアのデビュー曲、のカップリングの方。アップテンポで勢いのあるパンクロックな1曲。
 ばっちり格好良いバンドサウンドの伴奏に、絶妙に格好良くなりきらないボーカルが乗ってるのが何ともアツいです。ひたすら真っ直ぐ前向きで無骨な歌詞もそれっぽい。
 Re:ステージ!ってテトラルキアも含めて登場するアイドルのキャラクターがみんな中学生なんですけど、中学生ってこんな全力で生きられるような生き物でしたっけ……それとも中学生だからこそなんでしょうか…… こういう設定的にも熱量のある曲に触れることができるのは本当に嬉しいことなんですけど、なんだか眩しく感じてしまって辛いです。それはそれとして気分上がる曲だから聴いちゃうんですけど。

 

WINTER JEWELS YouTube
作詞:高瀬愛虹 作曲・編曲:伊藤 翼
歌:KiRaRe(牧野天音鬼頭明里田澤茉純立花芽恵夢岩橋由佳、空見ゆき)

 Re:ステージ!の今年のCDリリースを締めくくるKiRaRe 4thシングルのカップリングは、発売の12月にぴったりなウィンターソング。同じ年の1月に『夏の約束』が収録されたCDを出したコンテンツとは思えません。

と言われるのも納得なキャッチーさ。響きっぱなし感が強かった今までのKiRaReの曲と比べると、なんとなく鋭くスッキリしたアレンジが印象的です。ジャケットイラストの色味が大きく変化したことも相まって、KiRaReが1stアルバムを経て次のステージに進んだことを感じさせます。歌詞もなんだか、キャラクター達のアイドルとしての姿よりもちょっとだけ日常にスポットを当てた感じがして新鮮。
 KiRaReの歌に対する鬼頭明里さんの牽引力や、牧野天音さんの感動的な声質については、去年散々実感して散々語ったつもりなんですけど、この曲でまたも思い知らされてしまいました。

 

8 beat Story♪

Go Live!! YouTube
作詞・作曲・編曲:西浦さゆり
歌:星宮ゆきな(CV 和氣あず未) 源氏ほたる(CV 吉村那奈美) メイ(CV 澤田美晴*4

 去年の夏頃からその音楽にドハマりしてる、アプリゲーム「8 beat Story♪」。素朴で誠実な曲が多く一度ハマったら抜け出せない音楽性と、歌でキャスティングしてますと言われても納得なくらいの魅力的で個性的な歌声が特徴でしょうか。わりとリアルイベントの方で精力的に活動してたイメージもある1年間でしたが、楽曲リリースにも全然手を抜いてませんでした。
 そんな8 beat Story♪の今年のスタートはこの曲、と言ってもゲーム内でのショートサイズ配信はギリギリ2016年に始まってたような気がしますけど、幕開けを感じさせる歌詞といい、実際に8 beat Story♪ 8/pLanet!! 2nd LIVE「2時間目の授業は・・・」の昼の部の最初に披露されたことといい、何かとスタート感のある曲です。
 和氣あず未さんがその天才性を存分に発揮されてます。可愛くて楽しい!

 

Still...
作詞・作曲・編曲:2ndlifecrew 歌:橘 彩芽(CV 青野菜月) 姫咲杏梨(CV 金魚わかな)

 全然器用でも奇抜でもないのが胸にしみるアツい2ndlifecrewサウンドに、橘彩芽と姫咲杏梨の最上級生キャラクターらしい苦悩を乗せた歌声がハマる感傷的なナンバー。1年生組ならではの希望に満ちた『Go Live!!』の次に配信されたこともあって、この曲との出会いは衝撃的でした。
 シンコペーションだらけの焦るようなメロディーラインに、青野菜月さんと金魚わかなさんが乗せる感情はちょっと理不尽なくらいにリアルです。それを更に強調するかのようなドラムのフィルが、シンプルなアレンジゆえに際立っていて、聴いていて苦しいったらない。
 青野さんと金魚さんの声質ってすごい相性良いよなーと前から思ってたんですけど、8 beat Story♪初のデュオ曲ということもあって改めてそれを再確認させられる曲になりました。ライブでの演出も良かったし、今年すごい印象に残っている曲です。

 

DREAMER YouTube
作詞:KoTa/原田雄一/花衣 作曲・編曲:KoTa/原田雄一 歌:8/pLanet!!

 サビの振付が簡単で真似するのが楽しくて、2nd LIVEで披露されたのがすごい記憶に残ってたんですが、直後にCDのリリースイベントでも何度か聴く機会があったせいですっかりその楽しさが染みついてしまった曲。イントロのクラップが客席内で全然揃わないのももはやお約束。
 歌詞は応援ソングっぽい言葉選びですが、その言葉が不特定多数に向けてというよりはもう少し内側に向いてるような感じもするのが引っ掛かります。去年の8/pLanet!!の曲だと『ファンタジア』『Lovely Summer』に "1-2-3" "1,2,3" とカウントアップする箇所があってそれぞれ特徴的だったんですけど、対照的にこの曲では "5,4,3,2,1" のカウントダウンを効果的に使っているというのも、なんとなく思うところがあるような無いような……

 

Minus YouTube
作詞・作曲・編曲:5u5h1
歌:神楽 月(CV 吉岡美咲) 桜木ひなた(CV 社本 悠) 水瀬鈴音(CV 吉井彩実)

 バンドの重たいサウンドとキツめのシンセに痺れるハードな曲で、2017年の8 beat Story♪の楽曲でも1、2を争う問題児です。褒め言葉です!
 吉岡美咲さんも社本悠さんも吉井彩実さんも、それぞれ自分なりのやり方でこれでもかってくらい感情を歌に乗せてぶつけることが出来る人達で、聴いていて恐ろしくゾクゾクします、特に落ちサビは必聴。
 8 beat Story♪ 8/pLanet!! 1st Anniversary 3rd LIVE「行くぜBLITZ!青春の想いを込めて!」でこの曲にショックを受けたのは以前別の記事で書いた通り……

 

ホントの気持ち
作詞・作曲・編曲:2ndlifecrew
歌:橘 彩芽(CV 青野菜月) 姫咲杏梨(CV 金魚わかな) 星宮ゆきな(CV 和氣あず未) 源氏ほたる(CV 吉村那奈美) メイ(CV 澤田美晴)

 ノスタルジックな旋律や歌い方に泣ける名曲。
 シリアスと可愛さの絶妙なバランスが魅力で、早口の台詞や擬音語が出てきてもコミカルに振り切らないのは流石。王道な展開やおとなしめのサウンドゆえにキャストの歌声がスッと胸に届くというところで、個人的に8/pLanet!!らしさを感じる曲だったりします。
 吉村那奈美さんのキュートでセンセーショナルなソロから、一気に世界が広がってくような落ちサビからの流れは圧巻です。

 

三日月どりーむ
作詞・作曲・編曲:央海加亥 歌:水瀬鈴音(CV 吉井彩実)

 「アイドリズム」や「Tokyo 7th シスターズ」でもその唯一無二の声で人々を魅了した吉井彩実さんの、あまりにもチャーミングすぎるソロ曲。優しく柔らかい感じなのに何処か詰まる感じがある声質や豊かな感性を、確かな歌唱力が支えるその歌声は感動的。ピアノが印象的で綺麗な伴奏は如何にも水瀬鈴音らしいです。
 楽曲提供は人気曲の『BoyFriend』などを手掛ける央海加亥さん。『Sugar Sugar Bee』を踏まえて鈴音のソロ曲が書けるのは央海さんしかいない!と思ってましたから、実現は嬉しかったですね。
 これもまた3rd LIVEで思い出に残ってる曲のひとつです。素敵と言うしかない。

 

Dive to the Future YouTube
作詞・作曲・編曲:2ndlifecrew 歌:桜木ひなた(CV 社本 悠) 姫咲杏梨(CV 金魚わかな)

 2ndlifecrew節全開の、本気っぽさが痛快なロックナンバー。真っ直ぐで、全身全霊で、え~同じような感想ばかりでアレなんですがこれも奇抜じゃないのが沁みる曲です。8 beat Story♪は真面目にそういう曲をやってくれるから好きです。
 決して涙を誘うような曲調ではなくて、むしろテンション上がるような曲なんです、なんですけど、なんだか泣けます。ちょっとだけ頑張ってみようかなという気にさせられます。そんな熱量を持った曲です。
 社本悠さんって、こういう曲が似合うよな~と思います。一緒に歌うのが姫咲杏梨と金魚わかなさんというのもめちゃくちゃエモいです。最高。

 

INFINIT3!!
作詞・作曲・編曲:5u5h1 歌:神楽 月(CV 吉岡美咲)

 我らが吉岡美咲さん演じる神楽月のソロ曲は、ちょっと意外なくらいに明るく前向きな1曲。確かに元気とか明るいとかそういう言葉が似合うキャラクターではあるものの、一方でボーカリストとしては『Give Me Love』や『Minus』なんかのダークなイメージが強くもあって。そういう要素がソロにも入ってくるのかな?なんて思ってましたから、アプリのストーリーで見てる普段のあの子っぽい『INFINIT3!!』が出てきて逆に少し驚きました。要するにキャラのイメージに合った曲だったわけですから、すぐにぴったりハマったんですけど。
 吉岡さんの、可愛いのに格好良くてクセがあるのに真っ直ぐな歌がたっぷり堪能できる曲です! この歌声にすっかり惚れ込んでる身としては、やっぱり1曲まるごと吉岡美咲というのはアツいですよね……
 爽快なメロディーラインや力強い歌詞は、まさに月らしいとも思えますし、キャラクター性を無視しても純粋に楽しいです。

 

Days
作詞・作曲:NakaGo-Chi 編曲:meta 歌:8/pLanet!!

 8 beat Story♪の他の曲がどれもアプリ内で遊べて音楽配信サイトで配信もされる中で、唯一8/pLanet!! 1st Best Album『8』限定での収録。他の曲と比べるとキャラクター達の学園生活に寄り添った歌詞といい、ちょっとだけ特別な感じのする1曲。
 『あの日の約束』『トキメキの15センチ』のNakaGo-Chiさん・metaさんタッグによる、聴くとあたたかい気持ちになれる曲で、こういう曲って結構ツボです。3rd LIVEのアンコールでサプライズ的に披露されたのが、そしてそのときのサビの振付が、今でも胸に焼き付いています。
 澤田美晴さんの透き通るような声の落ちサビは、演じるメイというキャラクターの作中での立ち位置のこともあってウルっと来ます。ウィンドチャイムやグロッケンのきらきらした音も素敵な雰囲気を作るのに一役買っていて印象的です。

 

Twinkle Snow
作詞:古屋美和 作曲・編曲:松田純一 歌:8/pLanet!!

 12月29日に滑り込みでフル配信された8/pLanet!!のウィンターソングは、今年一番(個人の感想)のエモーショナルなメロディーにグッとくる曲。サウンドのベースは如何にも8 beat Story♪っぽいですけど、残響の感じがなんだか冬らしい幻想的な雰囲気で新鮮です。間奏やラスサビの愉しげなギターには思わず笑みがこぼれます。
 まだあんまり聴き込めてないのですが、ちょっと聴いただけでも「良いかも」と思えるくらい素敵な曲だったということでひとつ……

Twinkle Snow

Twinkle Snow

  • 8/pLanet!!
  • アニメ
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes

 

三森すずこ

恋はイリュージョン
作詞:三森すずこ 作曲・編曲:矢野博康

 自分の最も尊敬している声優さんであり、アニメソングをよく聴くようになったきっかけの人でもある三森すずこさん。ソロアーティスト活動においては、いつでも驚きと感動を提供してくれて本当に飽きさせない人です。そんな三森さんの今年のリリースは、鷲尾須美役として出演もされているアニメ「結城友奈は勇者である -鷲尾須美の章-」の主題歌シングルが2枚ということで、ゆゆゆ・わすゆ色の強い1年になりました。
 『恋はイリュージョン』は、劇場版の方の主題歌『サキワフハナ』のカップリングで、東京事変リスペクトっぽいジャズなサウンドが魅力。作編曲は『恋のキモチは5%』の矢野博康さん。ホーンのアレンジが印象的で、トロンボーンって良いよねなんて思わされます。ドラム、パーカッションの仕事は流石の一言。あまり目立つわけではないけどギターの音も心地良いです。
 三森さんって、ぶっちゃけ言うと何を歌っても似合ってしまうんですけど、そんな中でもこの曲のミュージカルっぽい空気はイメージにぴったりハマります。クセになる1曲です。

 

エガオノキミヘ
作詞:中村彼方 作曲:蔦谷好位置 編曲:野間康介

 TVアニメ版「結城友奈は勇者である -鷲尾須美の章-」の主題歌は、ノスタルジックな雰囲気をスピード感が後押しする切なくて綺麗な1曲。三森すずこさんの表現への姿勢や声質がうまく働いている曲でもあります。
 アニメの登場人物たちに寄り添った歌詞には、「勇者であるシリーズ」の1ファンとして心を動かされないはずがありませんでした。作品を思わせるワードを散りばめながら普遍的っぽさもある歌は、三森さんの優しく切なくもエネルギーのある歌い方もあって感傷的な気分にさせられます。弦の音色にも涙を誘われるようです。
 Mimori Suzuko Live 2017「Tropical Paradise」*5で披露されたのが印象的だったこととか、アニメの方もすごく好きだったこととかもあって、個人的にこの曲を抜きには2017年は語れないって感じです。

 

そのほか

彩りPlace YouTube
作詞:rino 作曲:廣澤優也 編曲:藤井亮太、廣澤優也 歌:大橋彩香

 シングル表題曲の『ワガママMIRROR HEART』もすごい心に引っ掛かってて、そっち目当てでCDを買ったんですけど、気付いたらカップリングのこの曲の存在が自分の中で大きくなってました。
 大橋彩香さんの曲だとたとえば『ENERGY☆SMILE』とか『ABSOLUTE YELL』とか、元気をくれるって感じの曲は他にもあると思うんですけど、自分にとってはこの曲に充たされている幸福感的なものこそが自分を笑顔に前向きにさせてくれるもので、それが大橋さんのインタビューで語られていた「元気を届ける」というポリシーと自分の中でうまく結びつきました。
 そりゃ勿論、元気の押し売りみたいな曲がエネルギーをくれることだってありますけど、明るく元気に頑張れって言われたってそういつも簡単に頑張れるばかりではないじゃないですか。
 そうじゃなくて全然パワフルでも何でもないけど、自分自身の原動力や願いを見つめ直すような歌が、なんだかどうしようもなく胸に響いて前を向けることって結構あると思うし、個人的にはそういう曲もひとつの大橋さんらしさじゃないかなと感じています。

 

希望リフレイン
作詞:稲葉エミ 作曲:eba 編曲:eba 歌:青島萌香(CV:三森すずこ)

 eba先生による泣けるギターアレンジ。
 激しい起伏も無ければ煌びやかなトランペットやヴァイオリンも無いけど、人がひたすら正直に生きようとする熱、みたいなものが確かにあって、ちょっと笑っちゃうくらい感傷的です。
 アニメ「One Room」って1話が4分間とかで、全12話を3等分して3人のヒロインをそれぞれ4話ずつ16分間描くという結構な短編っぷりなんですけど、ラスト4話の青島萌花編は主題歌であるこの曲とリンクしてなんだか随分と情報量が多いように感じられたのを覚えています。
 とにかくギターが綺麗で切なくて格好良くてどうしようもなく心を掻き乱すのと、なんだか上手く説明できないけど歌詞が妙に刺さるのと(この刺さり方を今まであまり経験したことがないので本当に上手く説明できません誰か助けて)、三森すずこさんの変に感情的になったりしなくて言葉一つひとつがスッと飛んでくる歌い方が沁みるのと……

 

星を辿れば
作詞・作曲:大原ゆい子 編曲:manzo 歌:大原ゆい子

 初めてこの曲を聴いたとき、1サビ半ばくらいまではボーっと聞いてたというか、正直自分にとってそんなに特別な曲じゃないなという気がしてたんです。フックになったのはそのサビの後の真サビ( "そう 泣いて笑って食べて寝ても ~ また明日ね" の辺り)で、そこがどうしても忘れられなくてすぐCD買っちゃって、結局聴いているうちに曲全体が沁みるようになってしまってました。
 アニメ「リトルウィッチアカデミアTVシリーズ)」のED主題歌ということで、アニメの構成や雰囲気とピッタリな歌は、まるで大原ゆい子さんから「リトル」へのラブレターのようです。変に飾らない感じの歌声も素敵。
 アニソンばかり聴いているとどうしても、作詞作曲と歌唱のそれぞれの専門家の化学反応を楽しむ!みたいな曲の聴き方に傾きがちなんですけど、自分で曲も詞も書いて歌もやるシンガーソングライターさんならではの1本筋の通った歌というのも気持ちいいものですね。

 

グレープフルーツムーン
作詞:坂井竜二 作曲・編曲:ミト(クラムボン) 歌:夏川椎菜

 今年一番再生しました。名曲です。

グレープフルーツムーン

グレープフルーツムーン

  • provided courtesy of iTunes

 

Melody and Flower
作詞・作曲:俊龍 編曲:Yu-pan. 歌:遠藤ゆりか

 この曲のことを言葉にするのは難しいです。難しいんですけど、もうあまり言葉にするタイミングが無さそうだなというのと、この曲の存在を無視して何が「2017年の音楽」だという気持ちもありますから、浮かんだ文を並べてみようと思います。
 遠藤ゆりかさんの待望の3rdシングルです。本当にずっと待ち望んでいました。今年の1月に発表されたとき、喜びに震えました。
 俊龍さんによるスピーディーでダークなメロディーに、遠藤さんの妖美な歌い方が合う格好良い曲です。胸を締め付けるような曲調ではありますが、自分がこの曲を聴くときは、新曲がリリースされたという嬉しさが大きすぎてどうにも笑顔になってしまっていました。
 今は自分がどんな気持ちでこの曲を聴いているのか分かりません。ただ、大好きで大切な曲なことは間違いないので、いつまでも好きなままでいられたらいいなと思います。春までには笑って聴けるようになってなきゃなとも思っています。

 

ステラブリーズ
作詞:春奈るな 作曲:杉坂天汰、ツカダタカシゲ 編曲:ツカダタカシゲ 歌:春奈るな

 澤村・スペンサー・英梨々

春奈るな 『ステラブリーズ』 (Music Video / Short Version) - YouTube

 

バブルラブ YouTube
作詞・作曲・編曲:Junky 歌:リンゼ・シルエスカ(CV:福緒 唯)

 Junkyさんのアレンジセンスが光る、アニメ「異世界はスマートフォンとともに。」のキャラクターソング。こんなにティンパニが目立ってるのにこんなに鋭くポップで可愛い曲が作れるなんて話は聞いたことありません。
 福緒唯さんのヤバいくらい可愛い声と、他に聴き覚えのないサウンドがクセになるキラーチューンです。破壊力抜群。
 C3AFA TOKYO 2017のステージで、福緒さんが振り付きで歌ってくれたときの感動は今でも忘れられません。音楽プレーヤーで再生した回数に対して明らかに脳への焼き付き方がおかしい。

 

ひかり、ひかり
作詞・作曲:尾崎世界観 歌:相坂優歌

 相坂優歌さんの曲というと、『透明な夜空』『セルリアンスカッシュ』での相坂さんのパーソナリティに寄り添った感じが印象的でしたが、『ひかり、ひかり』も同様に、というかむしろ今まで以上に、相坂優歌という人にハマる曲です。楽曲提供は相坂さん自身が以前からリスペクトしていると公言されている、クリープハイプ尾崎世界観さん。
 不安や孤独を言い当てられるようでドキッとするけど、ただ冷たいだけの宣告で終わるのではなく、むしろ前向きで暖かい感じもする歌。相坂さんの良い意味であんまりぴしりとしてない歌い方が心地良いです。アニソン的なバンドサウンドよりももう少し正直で硬質な感じがする、ロックな伴奏も魅力。

 

2016年以前の曲で2016年以前はあんまり聴いてなかったけど2017年よく聴いたやつ

流星群
作詞・作曲:KAMEKICHI 歌:LUNA

イナズマ
作詞・作曲:KAMEKICHI 歌:LUNA

青い月
作詞・作曲:KAMEKICHI 歌:LUNA

 「SHOW BY ROCK!!」より田舎高校生軽音同好会バンド・ウワサノペタルズの楽曲、のうち古い方3曲。ボーカルがLUNAさんの方のやつ。
 曲が最初に出たのは2013年とかでベストアルバムも2016年に買ってたんですけど、SB69って声優さんの曲ばっか聴いてたので良さに気付くのが遅れました。ボーカルが高野麻里佳さんになった最近の曲もそっちはそっちですごい良いけど、なんか全然別のバンドっぽいです。

青い月

青い月

  • ウワサノペタルズ
  • ロック
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes

 

Ripple Effect
作詞・作曲・編曲:ZAQ 歌:春奈るな

 軽快なブラスの音が心地良い、アニメ「ハイスクール・フリート」ED曲。2月にニコ生アニメ全12話一挙放送を観たとき、EDでどうにも心がざわついたのでそのままAmazonで買ってずっと聴いてました。
 ZAQさんの歌詞って、あんまり好きじゃないときとすごい良いときとの差が激しいんですけど、これは間違いなく当たりだと思います。何と言っても春奈るなさんの声に合ってる!

 

細胞プロミネンス
作詞:やしきん 作曲・編曲:eba 歌:マリ子(伊藤美来

 アース・スター ドリームの曲だと思ってましたごめんなさい! アニメ「ミリオンドール」2ndOP。
 伊藤美来さんの別に切なく歌ってるワケじゃないと思うんだけどすごい切ない歌声が格好良いです。そしてeba先生による泣けるギターアレンジ。

細胞プロミネンス

細胞プロミネンス

  • provided courtesy of iTunes

 

トワイライト
作詞:カナボシ☆ツクモ 作曲:Satomi Kawasaki 歌:Le☆S☆Ca

 「Tokyo 7th シスターズ」より、爽やか微炭酸系3人組青春アイドルユニット・Le☆S☆Caの2ndシングル。CVは吉井彩実さん、藤田茜さん、植田ひかるさんです。すごい。
 ナナシスって別にそこまで知ってるわけではないんですけど、この曲はゲームでプレイしたときに妙に引っ掛かっていて、夏頃にゲーマーズの店頭でCDを見かけてどうしても気になって買ってしまいました。頭から離れない曲です。

 

Polaris
作詞・作曲:園田智也

 アプリゲーム「スクールスタードリーム!」の代表曲的な楽曲。といってもこのゲーム、結局iOS版のリリースされないままだったので、自分は後継作「スクールスタードリーム~カミオシ!~」しか遊んだことがないんですが……
 キャラクターの成長とともに歌声も変化するヤバいシステムを採っていたゲームで、和氣あず未さん、ブリドカットセーラ恵美さん、近藤玲奈さん、田辺留依さん、日岡なつみさんの演じるキャラクターそれぞれに初等部、中等部、高等部の3パターンずつ、計15パターンのソロ歌唱音源が用意されていました。当然ゲームに登場する楽曲はこれ1曲だけではないので、かなり歌録ってるんですよね……
 ゲームのサービスが終了した今となってはこの曲を聴く手段はもうプレス発表ニコ生内でのライブ*6タイムシフト視聴か、あとはプレイ動画を探すかくらいしか無さそうです……でもそれだけでもどうも良い曲らしいということは伝わってきます!

 

星降り少女と魔法の夜
作詞・作曲:藤咲真冬 歌:由羽坂星良(CV:吉井彩実)

 アプリゲーム「アイドリズム」より、吉井彩実さん演じる由羽坂星良のアップテンポでキュートな名曲。90秒サイズしかないのであっさり聴き終えてしまいますが、その短い中でも楽しい曲と思わせるアレンジセンスと、魅力を感じる吉井さんの声質。
 これあんまり良い話ではないんですけど、iPhoneにも当然90秒の音源を入れているので、3分とか4分の曲を聴くにはちょっと足りないかなってくらいの短い移動時間なんかによく聴いてました。でも本当はフルサイズが聴いてみたいと思っています。

 

 

  書いててマジで音楽よくわからねぇって思いました。あと最初にわざわざ前置きしたけどそもそもアニソンしか聴いてないことに気付きました。
 2018年も素敵な音楽に出会えますように。あとできれば語彙にも。

 

 

 

*1:藤永龍太郎先生はBanG Dream!で『STAR BEAT!〜ホシノコドウ〜』はじめ多くの楽曲の編曲や作曲も担当。

*2:公式の歌詞解説記事や来年発売のアルバムでは曲名が『Metropolitan medicine 〜宇宙の法則でTOKYO〜』となっているのでどうもそっちの方が正しそうな気もしますが、音楽配信サイトやJASRAC作品データベースでは『Metroporitan ~』で検索すると引っかかるので、コピペするのに便利な此方で書いてます。

*3:2016年9月に期間限定で配信された後、2017年1月発売のシングル「憧れFuture Sign」に収録。

*4:8 beat Story♪の楽曲はiTunes Storeレコチョクでは『学び舎の空に』を除いて全て「8/pLanet!!」名義で配信されていますが、8/pLanet!!のメンバー8人全員で歌っている曲は一部で、実際はそれぞれ数人の選抜メンバーで歌われているものが多いです。

*5:最高のライブでした。

*6:こっちはソロではなく5人での歌唱。ゲームではショートサイズ音源しか使われてないので貴重なフルサイズ、そしてセンターは和氣あず未さん!